プロ塾講師の勉強の裏技(3)英語教授法

◎英語

(1)英語全体について

英語は理論部分と整理暗記部分の二面性を持ち、その二面性が英語の各単元内で複雑に絡み合っているという特徴を持っている科目であると考えます。これは理科と似ているのですが、生物・地学・化学・物理の順に次第に整理暗記部分より理論部分の比重が増し、二つの部分が英語ほど複雑に絡み合っていないという点で違いがあります。たとえて言えば英語は二面性融合型、理科は二面性並存型と言えるのかもしれません。従って英語を教える際には、どこが理論でどこが整理暗記する部分なのかを明確に理解したうえで授業をする必要があると思います。

(2)理論部分について

英文法はこの理論部分の中心に位置付けられるものですが、その全体構造がどの様になっているかをきちんと理解する必要があります。英語はそもそも歴史的にラテン語の影響を最も多く受けており、その文法部分も当然ラテン文法の有力学説の影響を受けています。英文法書の目次がどれも似ているのはこのためで、主に<1>時制理論<2>文型理論<3>転換理論<4>品詞理論の4つに類型化できます。英文法を教える際にはこの4つの理論のどれについての問題なのか概略を適示しつつ授業をすべきでしょう(授業中に生徒に高度な理論の詳細を説明する必要はないと思いますが、教える講師が意識するか否かで授業の解りやすさに格段の違いは生じてくるのではないかと思います)。

(3)整理暗記部分について

英単語・英熟語・語法など整理し暗記する部分が多いですが、英単語の勉強方法を一例に挙げてみます。英単語を暗記する際、<1>綴り<2>発音<3>意味<4>品詞の4つをセットで暗記するように私は指導しています。前2者には明確な相関関係がありフォニックスとして知られるものであり、また後2者は英文構造を解析する際有力なツールとなります。

(4)単元別説明の仕方

各単元の内容は4つの理論の一つが主、他の理論が従の関係にあり複雑に絡み合っているため丁寧に解きほぐすように説明した後、整理暗記事項が説明した理論の全体構造のどこに位置づけられるのかを共通点・相違点に着眼し暗記しやすく説明すればわかりやすい授業になると思います。

 

次週以降他の科目についても書いていきたいと思います。