プロ塾講師の勉強の裏技(12)成績を必ず上げる極秘テクニック

今年度も多くの合格者を輩出しています。明星中学午後特進合格(F判定から競争率10倍以上の難関突破)、大阪府立大学工業専門高等学校特別枠合格、関西大学商学部一般入試合格(第一志望の近畿大学合格を超え)など幸先よく皆第一志望校以上の学校に合格できています。

その最大の秘密は過去問分析にあります。問題と解答は出題校が公開していることが多いので、それを徹底的に分析することで出題者の真の出題意図まで読み取ることができれば合格最低点の120~150%の得点を獲得し楽に確実に合格できるのです。

ひとつ例を挙げると、大阪府立高校英語C問題では大問1が文法問題になっています。この問題を確実に速く正解するには規範英文法(学校文法)の知識が不可欠です。大問2以降が長文問題なので英文法に基づく英文読解法は必要ないなどという低レベルな分析は、なぜ大問1が文法問題になっているかが理解できていないのです。出題者は英文法のきちんとした理解とそれに基づく英文読解法(精読法)、さらにスラッシュリーディングに基づく速読法のマスター、速読からリスニングへの発展的理解へと勉強方法の提示を本試験の構成の中に示してくれているのです。

この他にも様々なテクニックの使い方など過去問は合格するための魔法のテクニックの塊なのです。市販されている過去問本には問題と解答以外ほとんど何も記載されていないと言えます。本当に合格したいのならば、自分で過去問を解き、どうすれば最短時間で確実に正解を出せるのかを、1年分でもよいので、じっくり自分の頭で考え抜くことをお勧めします。多くの問題集を解き散らかすよりも過去問を徹底的に分析し尽くすことが合格の早道です。

最後の最後まであきらめずに努力した者にのみ受験の神様は微笑みます。

 

(13)きな粉王子の何でもYOUDAY : 夏休みの宿題ー俳句

忙しかった夏期講習もほぼ終了し、生徒さんたちは夏休みの宿題が気になり追い込みにかかっているようです。かわいい生徒さんから夏休みの宿題で俳句を考えないといけないと相談され、一緒に以下の句を考えました。同じような宿題が出されている人は参考にしてみてください。

【1】コロナ禍で、夏休みなのに、家中で。

 (詠み人:女子中学生ーせっかくの夏休みなのにコロナ自粛の為、外出できず自宅で過ごす女子中学生の嘆き)

【2】マツの子は、ぼっくりでなく、デラックス。

 (詠み人:幼稚園児ー都会に住む幼稚園児が、保母の先生から松の子供は何と聞かれ、松ぼっくりを知らなかったため、マツの子と言えばマツコデラックスと答えてしまった)

【3】夏コーデ、ポーズを決めて、こーでエエ?

 (詠み人:大阪のおばちゃんーファッションセンスより御笑いのセンスが抜群の大阪のお茶目なおばちゃんの一言)

【4】松ぼっくり、ネットで千円、まーびっくり!!

 (詠み人:祖母ー一昔前なら、街中で松ぼっくりが落ちている光景は普通だったのに、ネットで1個千円で売っている時代に驚き一言)

(12)日本人に一番合った英語学習法

最近、小学生から英語の授業を必修化するとか、大学入試に英語4技能を導入するとか、様々な議論があるが、どの考え方が正しいのかは英語の達人と呼ばれる人たちに聞くのが一番確実だと思います。たかが数年海外で暮らした・数年留学した程度で本格的な英語を身に付けられないことは、ある程度の知的レベルにある人なら容易に想像がつくのではと思うのですが。今回は東京大学教授・斎藤兆史氏著作『日本人に一番合った英語学習法』の抜粋が、かつうら英語塾さんのホームページに掲載されていたので転載させていただきます(赤字部分)。かつうら英語塾さんについてはホームページで初めて知ったのですが、堅実な英語教育をされている私塾の様です。興味のある方はホームページを参照されてみてはいかがでしょうか。

 

斎藤兆史東京大学教授(言語教育)は『日本人に一番合った英語学習法』のなかで、「文法軽視」の学習に警鐘を鳴らす。文科省の「実践的コミュニケーション能力の育成」は文法軽視の低級な「英会話ごっこ」だと厳しく批判している。

 以下はその一部を抜粋・要略したもの。

 日本人に一番合った英語学習法

  斎藤 兆史(さいとう よしふみ)

東京大学教授(英学史・言語教育)

 「受験英語ばかりやっているから話せるようにならない」「ネイティブから学べばしゃべれるようになれる」「アメリカで1年暮らしたら英語が通じるようになった」。こんな無邪気な英語論をよく耳にするが、数年間ネイティブから習ったくらいで自由にしゃべれるようにはならない。1年、2年英語圏に留学してもたかが知れている。英語はそれほど簡単に身につくものではない。本気で英語を習得しようと思ったら、多くの時間と労力を犠牲にして、とてつもない努力をしなければならない。

 アメリカで生活するのに大した英語力は要らない。日常的な英語を操ることをもって英語力の証だと勘違いしている人が多い。英語の習得段階からすればそれは初歩の初歩である。そこから、英語で仕事ができる段階、文化的な議論ができる段階、高度な英文が読み書きできる段階と、まだまだ先がある。

 文法など気にせずに、とにかくしゃべれというが、間違ってもいいからしゃべれ、は学習の基本に反する。何を学ぶにしても基礎がいる。生徒が文法無視でしゃべることで助かるのは、教師であって生徒ではない。楽をしているのは教師である。

 20年以上大学で教えていて、英語ができない学生は、例外なく日本語の表現力が乏しい。カタカナ英語を多用する人に限って英語ができない。それは日本語の語彙が乏しいからにほかならない。高い英語力を身につけたければ、高い日本語力を身につけなければならない。日本語を磨くことが英語上達への近道である。

 子供をバイリンガルにしようと、日・英両言語で教育した結果、失語症になった例がある。人間の脳はそれほど器用ではない。脳は放っておけば必ず安定した単一の言語状況を求める。音声コミュニケーション中心の早期教育によって、日本語も英語もまともに操れない日本人が大量生産される危険性がある。まずは日本語を習得したうえで英文法を学び、原書の多読を行うのが順序だ。

 早期教育で会話を学べば英語をしゃべれるようになるというのは根拠のない幻想である。小学校の「英会話」は何の効果ももたらさない。英語教育の経験のない教師によって、子供の語感まで狂わされてしまう。その結果、日本語が乱れ学力低下が起こる危険性がある。英語は中学から始めて、中学・高校で基礎訓練をみっちりやればいい。中学・高校程度の学習で使える英語を身につけようというのが、どだい無理な話なのだ。

 TOEFLTOEICの受験者のなかで、もっとも得点が高いのは31-40歳、もっとも低いのは16-18歳。この若い受験者の弱点は文法と読解。文法と読解を徹底的に叩き込まれた31-40歳は何とか総合的な英語力を保っている。文科省のオーラル・コミュニケーションの教育指導を受けた若い世代は英語力そのものが低下している。

 英語の基礎は、素読・暗唱・文法・多読である。基礎訓練なしでしゃべりたいという人は、柔軟性や敏捷性の練習なしで舞台で踊りたいという踊り子と同じだ。文法が苦手で、我流でしゃべるクセのついた人は、いい加減な英語を使うクセを取り除かなければならない。それには、文法書を通読し、素読と暗唱で英語のリズムを身体で覚えなければならない。

 日本人が理想とする英語の使い手がいるとすれば、それは英文著作で世界を感動させた新渡戸稲造岡倉天心南方熊楠(みなかたくまぐす)、鈴木大拙であり、また一度も海外に出ることなく、ネイティブに英語の試験をするほどの英語力を身につけた斎藤秀三郎である。

 いま第一線で活躍している日本人の英語力は、諸外国に比べてけっして引けを取るものではない。みなしっかりと文法・読解を叩き込まれている。その学習法は文法と読解である。この学習法が復活すれば、日本人の英語力は確実に向上する。国際社会で生き残れる英語力、商談ができる英語力、達人レベルの英語力など、どの英語力を目指すにせよ、まずは文法と読解を中心に学習を組み立ててほしい。

このような本物の大学教授・英語塾が日本中に現れることが日本の英語教育を根本的に改善することになるのだと思います。

プロ塾講師の勉強の裏技(11)成績を必ず上げる極秘テクニック

毎日勉強しているのに思ったように成績が伸びないのは勉強方法が根本的に間違っているからです。5科目すべてを同じ方法で勉強していませんか?科目ごとに勉強方法を変えるのは当たり前で、1科目の中でも分野ごとにその特性に合わせて勉強方法を科学的に考えて勉強すれば成績は知らず知らずのうちに上がるのです。以下多くの受験生を指導し成果が上がった方法の一部を紹介します。

(1)英語編

英語に関して成績が上がらない生徒さんの共通する要因は、なんとなく全体を暗記していることです。最初の頃はそのやり方で誤魔化せるのですが、内容が高度になりまた文量が多くなると行き詰ってしまいます。英単語は発音と綴りをフォニックスで関連させて暗記・品詞と日本語訳をセットで覚えることで英文法と英文読解の勉強へと自然に進めるという利点があります。次に英文法・英文読解に進めば楽に英語を理解することが可能になります。この点は以前のブログを参照してください。

(2)数学編

数学は各学年ごとにテキストの構成が、数と式・方程式・関数・平面図形・立体図形・確率統計となっています。最初の数と式は、次の方程式を理解するための前提となっています。また関数は方程式をグラフ化させたものなので、方程式が理解できていないと全く分からないことになります。平面図形・立体図形を解く際にも方程式の知識が必要なので、テキストの最初からきちんと理解し少しずつ進む必要があります。またテキストの最初の説明部分もきちんと読まなければ全体構造が掴めず応用問題には歯が立たないことになります。テキストのはじめから公式や概念の説明を読み、次に初級例題を解法を意識しつつ解き進め、多くの典型例題の解法を各単元全体の中できちんと位置づけていけば数学を得意科目にできます。

(3)国語編

現代国語・古文・漢文・詩歌短歌俳句・国文法など多くの単元がありますが、そのすべてに共通する勉強法は『なんとなくその答えになる』という様な曖昧な考え方を捨て去り、如何に論理的にその解答を導きうるかを科学的に探究することに尽きると思います。特に現代国語の問題を通じて、その人の知的レベル・精神的成長レベルを測られていると考えて間違いありません。この様な問題を解くには論理的に解答方法を明示している問題集を使って解答技術を学ぶのが最も手っ取り早い方法です。

(4)理科編

生物・地学・化学・物理の順に暗記要素が減り数理的思考要素が増えています。従って複数の視点から整理・暗記する勉強方法と、原理原則を理解し応用発展問題の解法へと進む勉強方法とに分けて勉強する必要があります。

(5)社会編

地理は現在の世界がどの様になっているかを知るための科目、歴史は過去の世界がどの様であったかを知るための科目、公民は過去の失敗が現在どのように引き継がれているかを知りこれからの未来をどのようにしていきたいのかを考える科目というように大きい視点で学べば単なる暗記科目ではない本物の社会を学ぶことができます。

(6)総括

ここまで、中学生を念頭に置いてのべてきましたが、難しくてよくわからなかった人は学校の先生や塾の先生に質問してみてください。きちんと答えることができた先生は本物の先生でこれからも頼りにしていきましょう。そうでない先生は見切りをつけて別の先生を探しましょう。

プロ塾講師の勉強の裏技(10)中学・高校・大学入試を終えて、すべての受験生に一言メッセージ

3月10日で最後の大阪府立高校の入試が終わり、長かった中学入試・高校入試・大学入試がすべて終了しました。3月18日に大阪府立高校の合格の発表が残っていますが、今まで担当したすべての生徒さんが希望校もしくはそれ以上の学校に合格できたことをこころより喜び、よく頑張ったと抱きしめてやりたい気持ちでいっぱいです。しばらくは体を休め、また来年度に向け新たな戦いに臨みたいと思います。

1)試験に合格した受験生に一言

合格おめでとうございます。今年はコロナなど様々な問題があった異常な一年でしたがよくがんばりました。合格はスタートラインに立ったにすぎず、これからが本番です。しばらくは休息し心と体を休め、次のもっと大きな目標に向って戦う準備をしましょう。そしてこの合格は自分一人で勝ち得たものではなく、陰で応援・助力してくれたご両親・学校の先生・塾予備校の先生・学校の先輩等と一緒に勝ち得たものだと謙虚に認識し、その人たちに感謝の一言を述べてあげてください。

2)試験に失敗した受験生に一言

残念な結果になって落ち込んでいると思いますが、たかが受験。人生長く生きてくると受験よりもっと大変な事態に直面することがたくさんあります。その時、多くの失敗を経験した者ほど心がより強くなり困難な事態を乗り越えていける能力が知らず知らずのうちに身についているものです。一回や二回の失敗にくじけずやけにならず、なぜうまくいかなかったのかを心から反省しその原因を考え、次の戦いでは必ず勝つと自分を鼓舞し頑張っていってください。落ち込んでいる暇はありません。合格して浮かれている友人を横目に見て次は自分が必ず勝つと強く心に刻み明日からコツコツ努力を続けていってください。次はあなたが勝つ番です。

プロ塾講師の勉強の裏技 (9) 世界一理解しやすい英語ー実践編(英検2級・TOEIC・共通テストの問題を読み解く)

前回説明した理論に基づいて、英検2級・TOEIC・共通テストの問題を分析してみます。

 

英検22019年度第3回大問2Bから一部抜粋

 

 By allowing each person / to produce light (and) electricity / through solar power , / such new inventions are/ reducing the amount of fossil fuels / being burned around the world. // As a result / , these inventions could help / to reduce global pollution /, creating long–term benefits / for the whole planet. //

 

 

TOEIC  公式みんなで模擬受験Question  158-160より一部抜粋

 

When you go to the sign–in page / for the first time /, simply follow the steps shown there / for setting up a new password . // To maintain access to the system / , you must remember to update your password every six  months . // As you approach the six-month mark /, the system will  automatically  e-mail  you  a  reminder . //

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共通テスト英語2020年度第6B一部抜粋

 

Yellowstone National Park, / located in the northern United States, / became the world’s first national park in 1872. // One of the major attractions / of this  2.2-millionacre park is the large variety of animals. //Some people say / that Yellowstone is the best place in the world / to see wolves. // 

 

 

黒文字 は従属接続詞、 ( )は等位接続詞、下線は前置詞、赤文字は主語+動詞青文字は目的語緑文字は説明語紫文字は修飾語、を意味します。/ は意味の句切れ目、 // は文の句切れ目を表します。この方法に慣れれば返り読みをせず前から逐次意味をとることができるようになり、速読即解が可能になり英文を楽に読むことができるようになります。

プロ塾講師の勉強の裏技 (8) 世界1理解しやすい英語ー基本文型(一般動詞編)

前回Be動詞は=の意味しか持たず、Be動詞を含む文はすべてS + V + Eの文型になると説明しました。今回は一般動詞の文型について述べていきます。結論を先に言うとS + V + EとS + V + Oの2文型しか存在しないということになります。つまり英文はBe動詞を含むS + V + Eの1文型と一般動詞を含むS + V + EとS + V + Oの2文型の合計3文型しか存在しないという非常に簡単な構造になっていることがわかります。以下、一般動詞の文型を従来の規範英文法の5文型理論と比較して説明していきます。

 

例文

【1】Kate lives in New York.(ケイトはニューヨークに住んでいます。)

【2】Meg looks happy.(メグは幸せそうです。)

【3】He bought a new watch yesterday.(彼は昨日新しい腕時計を買った。)

【4】He gave Sally a ring.(彼はサリーに指輪を買ってあげた。)

【5】She painted the wall brown.(彼女は壁を茶色に塗った。)

 

<規範英文法>では次のように解釈されます。

 

【1】Kate  lives  in New York.

        s       v        m

【2】Meg  looks  happy.

         s      v       c

【3】He  bought  a new watch  yesterday.

         s      v        o                m

【4】He  gave  Sally  a ring.

        s     v      o      o

【5】She  painted  the wall  brown.

         s       v         o        c

 

<二元的二層機能英文法>では次のように解釈されます。

 

【1】Kate  lives  in New York.

         s      v       e

【2】Meg  looks  happy.

         s      v      e

【3】He  bought  a new watch  yesterday.

         s       v         o              e

【4】He  gave  Sally  a ring.

         s     v       o

【5】She  painted  the wall  brown.

         s       v            o

 

【1】【2】の英文ではs+vを一塊と考えて、その説明をeで行っていると考えれば統一して簡単に意味をとることができます。s + v = eと考えてもよいでしょう。

 

【3】【4】【5】の英文ではs+vの対象がoとして次に現れると考えればよいのです。そのoの中に名詞・形容詞・副詞(従来の規範英文法で)が単一または複数入り、その後に付加的情報としてeが続くこともあると解釈すれば非常に簡単な構造だと理解できます。s + v → oと考えればわかりやすいでしょう。

 

次回以降、英語・現代国語・算数・数学・理科についても書いていきたいと思っています。