プロ塾講師の勉強の裏技(6)英語の達人たちから教わった本物の英語勉強法

本物の英語勉強法

 

長年、英語を勉強しても成果が現れないと悩む人が多いのですが、その根本的な原因を解明しその解決策を見つけない限り英語能力を改善することは不可能です。その主な原因は①勉強法そのものが間違っている場合(方法)②何をどのように勉強すればよいのかわかっていない場合(対象)③英語の特徴を理解せずに無計画にただ時間の浪費に終わっている場合(技術)の3つに集約できると思います。

 

①方法について

英語の教材で『~を聞くだけで英語ができるようになる』『たった~時間で英語マスター』『勉強をはじめてたった~年で~満点・合格』といった宣伝文句を目にすることがよくありますが、英語を習得するのに短期間で簡単にできるものなどこの世には存在しないと認識し、真面目に正攻法で勉強するのが最短最速で最良の方法だと肝に銘じておくことがまず重要です。そのうえで、最良の勉強法を見つける必要があります。私が英語を本格的に勉強するに際し、2つの大学図書館で英語勉強法に関する書籍を読みつくした結果、日本で英語の達人と言われる大学教授・通訳・翻訳家に共通する英語勉強法があると気が付きました。()英文法をきちんと勉強すること()英文法の知識と英文読解法をリンクさせ英文構造を理解しつつ英文を読むこと()音読を繰り返し、英語を英語のまま理解する速読即解の能力を身に付けることの3点です。この様に書くと非常に当たり前で簡単なように思えますが、実はこの3点を完璧に実行することは至難の業なのです。(1)~(3)の順に進めていけばよいのですが、(1)の英文法の習得が一番難しいのです。そのため先に進めない事態に陥っています。世の中に多くの英文法書がありますが、実はそのほとんどが本場のアメリカ人・イギリス人が書いた英文法書をまとめたものにすぎないからです。それだけ多くの文献に当たってまとめる作業は気の遠くなる努力・能力がなければできない大変なものだと最大の敬意を払いますが、その大本の英文法書の記載が不完全であったならば、それを集約した日本の英文法書も同じ間違いを犯すことになります。ほとんどの英文法書の内容を見てみると論理的に明らかな間違いが多く存在し、読む者の頭を混乱させてしまう残念な結果になっています。もともと文法は母国語を学ぶ上ではほとんど必要なく、外国語を学ぶ際に必要となるものなのです。従って、英語を母国語とする人には英文法はほとんど必要なく、逆に英語の知識に引きずられるため英文法をきちんと論理的に構成できない結果を生み出すのです。回を改めて本物の英文法・英文法に基づく英文読解法について本格的に書いていこうと思っていますが、かなりの分量になるため今回はそのエッセンスのみの紹介にとどめます。

『文の構造を基本5文型で説明すること自体は正しいと思いますが、それは一般動詞について言えることであって、Be動詞を含めて説明している点が根本的に間違っているのです。Be動詞のある文章の文型はたった1つしかなく、またBe動詞はその左右のものの関係がAというものがBという性質を持つという意味しか持たないと理解すべきなのです。このように理解することで進行形・受動態を理論的に完全な形で説明できるのです。』(1)本物の英文法(2)英文読解法(3)音読については次回以降本格的に書いていくつもりです。

 

②対象について

(1)英単語・熟語集(2)英文法書(3)英文の3種類の教材で勉強を始めましょう。

(1)英単語・熟語集

英単語と和訳、発音記号、例文と和訳、無料音声がすべて網羅されている教材を選びましょう。発音記号がないような教材・無料音声のない教材は学習効果が悪いのでやめましょう。また、収録語数が極端に多いものや少ないものも避けるべきでしょう。1冊に1000~1500語収録のものがお薦めです。

(2)英文法書

あまり良いものがないのですが、大学受験ならば、Vision Quest(啓林館)がコンパクトにまとまっていてお勧めです。また従来の英文法の間違った記述もほとんどなく(記載がないだけですが)次に紹介する英文法書にそのまま進めるという利点もあります。大学生や社会人には、話すための英文法(田中茂範著)が本格的でお薦めです。

(3)英文

英文と和訳、単語・熟語の説明、文構造の説明、音声付のものがお薦めです。大学受験用ではZ会の速読英単語は音声が別売りなのが難点ですがお薦めです。大学生・社会人には同じくZ会の速読速聴英単語がレベル別に出版されておりまた音声もついていて完璧です。このような教材を単語・熟語の暗記、英文の構造理解、速読速聴の勉強に段階的に使用し完全に吸収するように何度も勉強しましょう。

 

③技術について

英文法書を初めに詳細な説明を後回しにして概略部分のみを読み理解する。2・3回繰り返したのち詳細部分を含めて全体を2・3回読む。ここまで進んで英文法の基本を理解したうえで、英文教材に進み②(3)で書いたように勉強を進めていけば自動的に英語を習得できると思います。英文を読めなければ英語の習得はほぼ不可能で、レベルの低い英会話で一生終わることになります。